YOSHIDA HOSPITAL
文字サイズ
代表 052-741-4187
医療福祉相談室 052-741-5838
アクセス
YOSHIDA HOSPITAL

052-741-4187

アクセス
MENU
         
  • ホーム
  • 当院について
  • ご利用案内
  • 症状のご紹介
  • 部門紹介
  • 検診のご案内
  • 医療・介護関係の方

腸閉塞

腸閉塞とは

 腸閉塞とは、何らかの原因により小腸や大腸の動きが悪くなったり、腸管がふさがったりして、腸の内容物が停滞してしまい、腸管が拡張し腹部膨満感や腹痛を生じてしまうことです。腹部の症状でよく見られる急性疾患の一つです。腸管が閉塞すると消化途中の食べ物だけでなく、消化液も再吸収されずに貯まってしまい腸が拡張します。腸の中に消化物が貯まることで腸壁の血管が圧迫され、血行障害を起こします。激しい嘔吐や腸管での水分の吸収障害により体の水分や電解質が失われ、臓器不全やショック状態に陥ることもありますので、早期の適切な治療が必要です。

腸閉塞の原因

 腸閉塞の原因としては、ヘルニアや腹部手術による腸の癒着や、炎症性の腸疾患などがあります。腸管が変形して閉塞した機械性腸閉塞と、腸の動きの異常による機能性腸閉塞があり、機械的腸閉塞は全体の約9割を占め、腸管の血行障害があるかないかで単純性と複雑性(絞扼性・こうやくせい)に分けられます。

機械性腸閉塞

単純性腸閉塞

 単純性イレウスは腸管の閉塞のみで、血行障害はないものをいいます。最もよくある原因は、腹膜炎や腹部の手術後に起こる癒着によるものです。開腹手術をすると腸同士や腸と腹壁の癒着が起こり、この癒着した部分を中心に腸が曲がったり、他の腸が圧迫されて腸が閉塞することがあります。腸が閉塞すると腹痛、吐き気や嘔吐などが起こります。
また、腫瘍やクローン病などの炎症や、食べ物(糸コンニャク、昆布、ワカメ、キノコ、餅などの消化されにくいものや水分を含むと膨らんだりするようなもの)が原因として考えられています。

複雑性(絞扼性)腸閉塞

 腸管の癒着や閉塞に腸管自体の血行障害を伴うもので、病態は急激に悪化します。腹部の膨満は目立たず腸管全体が麻痺し、血液が腸に十分送られないため、腸の壊死が進むと腹部全体に腹膜炎が起こり、危険な状態に陥ります。敗血症(何らかの感染症を起こしている細菌などが増殖して炎症が全身に広がり、重大な臓器障害が起きて重篤になっている状態)や、多臓器不全を引き起こすことがあります。単純性イレウスよりも重篤で、早期に緊急手術を行わないと死に至ることがあります。

機能性腸閉塞

 機能性腸閉塞は、一部あるいは広範囲に、腸管が麻痺または痙攣(けいれん)を起こし、内容物の流れが止まってしまった状態です。

麻痺性腸閉塞

 麻痺性腸閉塞は、腹膜炎や腸炎、腹膜炎、薬剤、血液中の電解質異常、術後などの影響で起きます。最近では大腸がんが進行して、がん組織が大腸を閉塞させてしまう大腸がん腸閉塞が見られます。このような場合は、手術などの処置が必要になることがあります。

痙攣(けいれん)性腸閉塞

 痙攣(けいれん)性腸閉塞とは、腸管の局部的な炎症や結石発作による腸管への刺激などが原因で痙攣性に収縮して起きます。腸管をコントロールする自律神経の働きの異常が原因になることもあります。

腸閉塞の症状

 腸閉塞の主な症状は、激しい腹痛、吐きけ、嘔吐、排ガスと排便が見られなくなり、腹部全体に痛み、発熱や頻脈、腹部膨満が起こります。絞扼性腸閉塞では、腸管が圧迫され血流障害を起こしていることから、急激で持続する強い痛みと発熱が生じることがあります。閉塞部位によって嘔吐物の内容も胃液、胆汁、消化された食物、さらには糞臭もみられることがあります。
 機能性腸閉塞は比較的腹痛も軽度であり、部分的な閉塞であれば下痢が起こり、完全に閉塞すると重度の便秘が起こります。

腸閉塞の治療

 腸閉塞は原因によって、治療法は異なります。腸閉塞の治療の第一選択は、絶食と点滴による全身管理となります。軽度であれば腸管を休めることによって、保存的治療にて改善することがあります。腸管の張りが高度であれば、禁飲食、経鼻胃管やイレウス管を留置し、腸管の減圧を行ないます。保存的治療で改善されない場合や、閉塞原因が大腸がんや術後癒着等で腸閉塞を繰り返している場合は、手術を検討致します。絞扼性腸閉塞の場合は、腸管壊死による敗血症性ショックを生じる前に緊急手術が適応となります。
 また、癌が原因で腸閉塞が起こっている場合は原則手術による治療になります。腸閉塞は様々な原因があるため予防法はありませんが、排便・排ガスがなく、腹部膨満や腹痛、おう吐が気になるときは、早めに医療機関に受診することが大事です。

copyright © 吉田病院 ALL Rights Reserved.