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痛風

痛風とは

肝臓でプリン体が分解される際、尿酸が副生され結晶化、血中や関節内に蓄積します。「痛風」とは、この蓄積の際、白血球が攻撃した事で発症する痛みを指します。通常、血中尿酸値が7mg/dlの方に発症するとされています。自覚症状もなく、ある日突然、発症する事もあります。痛風が発症する人の7割は足の親指から痛みが発症します。痛みは、万力で締められたような痛みといわれ、痛みの箇所には熱をもち赤く腫れたりもします。多くの方は、足の親指の関節や、足の甲に痛みが発生します。
 日本では明治時代以前は痛風という病気はなく、日本で痛風が見られるようになった背景には、食事の欧米化や、動物性脂肪の大量摂取、過度の飲酒、肥満などがあるようです。また圧倒的に男性に発症(95%程度)しやすい病気です。それは女性ホルモンには腎臓から尿酸の排出を促す働きがあるためです。

痛風の原因

 尿酸値が高くなると、溶けきれなくなった尿酸が結晶化します。体内で尿酸が作られる原料となるのが「プリン体」です。食事でプリン体を摂取しすぎると、尿酸値を通常の値を超えてしまいます。尿酸の原因となるプリン体の過剰摂取やアルコール摂取が考えられます。プリン体は一般的に肉類、魚介類、レバーなどの内臓類に多く含まれるため、「贅沢病」と言われています。気温が低くなるのも、尿酸が結晶化するため、痛風発作が起きやすくなります。

痛風の症状

 痛風の痛み(痛風発作)は多くの方の想像を超えるもので、「息ができないほどの激しい痛み」は、24時間以内にピークに達します。最初の痛風発作の多くは足の親指の付け根に起こり、長くても 1週間から 10日程度で治まります。しかし、痛みがないからと言って、病気が治ったわけではありません。このような痛風発作が年に1回から数回、起こることが多いです。
 痛みの原因は、体の免疫機能が体内に溜まった尿酸の結晶(尿酸塩)を異物とみなし、排除しようとするために起こります。尿酸塩が関節に溜まると痛風発作になりますが、他の臓器にも尿酸が溜まります。腎臓には溜まりやすく、痛風発作がある方は、腎結石、腎臓機能障害に注意が必要となります。痛風の患者様の約30%に尿路結石が起こるといわれています。健康な人と比較すると1000倍も尿路結石にかかりやすいといわれています。
 また、心筋梗塞や、脳血管障害などの病気を合併する確率も高いため、早めの治療が必要となります。痛風は痛みがないからといって、自然に治るようなことは決してありません。治療は一生続けていく必要があると言っても過言ではありません。
 痛風の患者様の 50~80%は肥満というデータがあります。肥満度が高まるにつれて、高尿酸血症の頻度が高くなることも明らかになっています。高尿酸血症に限らず、生活習慣病と言われる病気は肥満が悪影響をおよぼすので、自分の体重の管理が必要です。

痛風の治療

 痛風の治療の第一は、痛風発作を予防することです。痛風発作が起こった際には患部を冷やし、安静を保ち、飲酒やプリン体の多い食事を避けることが症状改善に役立ちます。また、発作の痛みがある段階で受診された場合には、痛みを緩和させる治療を行います。痛風発作の治療は、消炎鎮痛剤を服用し炎症を抑えます。炎症を抑える目的で、ステロイド剤を使用することもあります。
 痛風発作が治まった後でも、原因である高尿酸血症を放置しておくと慢性化する恐れがあります。発作が治まった後も継続的な内服治療が必要となります。また、高尿酸血症の患者さまは、尿路結石や腎障害の合併症にもなりやすいため、尿をアルカリ化する食べ物や薬などで、尿の PHの管理も重要となります。
 治療においては薬物療法だけでなく、生活習慣の改善も非常に大切です。食事のカロリーコントロールや運動などによる体重調整、飲酒量の調節なども重要です。プリン体の高い食事摂取を避ける、カロリー制限、節酒、こまめな水分摂取が挙げられます。水分摂取は、尿酸結晶を溶けやすくして排泄するために重要です。また、尿をアルカリ化にすることも尿酸の排泄に役立ちます。海藻、緑黄色野菜、根菜、豆類などを食事に取り入れるようにしましょう。

痛風の食事療法

 尿酸のもとになるプリン体は、8~9割が体内で作られ、食品から入る量は1~2割であることがわかっています。日本痛風・核酸代謝学会の「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」では1日の摂取量が 400mgを越えないことを推奨しています。
 プリン体は鶏レバーや白子、あん肝、かつお、さんまの干物など、特にお酒好きの方がおいしいと感じる食品に多く含まれています。下記のプリン体含有量を参考に400㎎を超えないようにしてください。

食品のプリン体含有量(100g当たり)

極めて多い
(300㎎~)
鶏レバー・マイワシ干物・イサキ白子・あんこう肝酒蒸し
多い
(200~300mg)
豚レバー・牛レバー・カツオ・マイワシ・大正えび・まあじ干物・さんま干物
少ない
(50~100㎎)
うなぎ・わかさぎ・豚ロース・豚バラ・牛肩ロース・牛タン・マトン・ハム・ベーコン・
つみれ・ほうれん草・カリフラワー
極めて少ない
(~50㎎)
コンビーフ・魚肉ソーセージ・かまぼこ・焼きちくわ・さつま揚げ・数の子・筋子・
ウインナー・ソーセージ・豆腐・牛乳・チーズ・バター・鶏卵・とうもろこし・じゃがいも・
さつまいも・米飯・パン・うどん・そば・果物・キャベツ・トマト・にんじん・大根・白菜・海藻類

高尿酸血症・痛風ガイドラインより

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