消化器内科
当院の消化器内科が選ばれる理由
専門医による「苦痛を抑えた」精緻な内視鏡検査

胃カメラ・大腸カメラに対し、「辛い・痛い」というイメージをお持ちの方は少なくありません。
当院では、内視鏡専門医・指導医の資格を持つ医師が、細径スコープや鎮静剤(静脈麻酔)を適切に使用し、眠っている間に近い状態で検査を行います。微細な病変も見逃さない「精度」と、患者様の「負担軽減」を高い次元で両立させています。
内科・外科の垣根を越えた「即断・即決」の連携体制

当院の強みは、内科での診断から外科での手術までが「一つのチーム」として機能していることです。検査で手術が必要な病変が見つかった場合、速やかに院内の消化器外科医と情報を共有。改めて他院を受診する手間を省き、検査から治療開始までの待機期間を最短化することで、患者様の心理的・身体的負担を軽減します。
24時間365日、急な腹痛や消化管出血にも対応

深夜や休日の急な腹痛、嘔吐、下血などの消化器症状に対しても、24時間体制で受け入れを行っています。必要に応じて緊急の内視鏡検査や処置、緊急手術を迅速に実施できる体制を整えており、地域の皆様の「おなかのトラブル」の最後の砦として機能しています。
重大な疾患を防ぐ「ピロリ菌除菌」
ピロリ菌とは

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、主に乳幼児期に感染し、その後も胃粘膜にすみ続ける、らせん状の細菌です。詳しい感染経路は分かっていませんが、口を介して体内へ入ると考えられています。
感染している方の割合に世代差がみられるのは、感染しやすい乳幼児期の衛生環境が時代によって異なるためです。上下水道の整備が進む前に育った世代では、ピロリ菌を保有している方が多い傾向があります。
本来、多くの細菌は強い胃酸の中で生き続けられません。ピロリ菌はウレアーゼという酵素で周囲の酸を弱めるため、胃粘膜に定着できます。
ピロリ菌と関連する疾患
ピロリ菌は胃粘膜に炎症を起こし、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんなどの発症に関わります。感染が続いて炎症が慢性化した状態が、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎です。
この炎症から病気に至る経過は、潰瘍と胃がんで異なります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍では、ピロリ菌が粘膜を傷つける要因となり、発症だけでなく再発にも関係します。
一方、胃がんにつながる経過では、長年の炎症によって胃粘膜が薄くなり、腸の粘膜に似た組織へ変わる場合があります。こうした変化が進んだ方の一部に、胃がんが発生するおそれがあります。
ピロリ菌の検査
ピロリ菌の検査には、内視鏡で採取した胃粘膜を調べる方法と、呼気・血液・尿・便を用いる方法があります。検査によって、菌そのものを探すもの、菌がもつ酵素の働きを調べるもの、感染に対する体の反応を確認するものに分かれます。
検査結果と内視鏡所見が一致しない場合や、結果が判断しにくい場合には、別の検査を追加して確認します。
内視鏡検査で行う感染検査
-
迅速ウレアーゼ試験
迅速ウレアーゼ試験は、ピロリ菌がもつウレアーゼの働きを利用する検査です。内視鏡で胃粘膜を少量採り、尿素を含む専用の試薬に入れます。菌が存在すると尿素が分解されて試薬に変化が現れるため、その反応から感染を判定します。
-
鏡検法
鏡検法は、ピロリ菌そのものを顕微鏡で直接探す検査です。内視鏡で採取した胃粘膜を標本にし、組織の中に菌体があるかを確認します。
-
培養法
培養法では、胃粘膜に含まれるピロリ菌を増やして確認します。内視鏡で採った組織を処理し、菌が育ちやすい環境で培養します。ピロリ菌が増殖するかどうかを見て、菌の有無を確かめる方法です。
内視鏡検査を用いない感染検査
-
尿素呼気試験
尿素呼気試験は、ピロリ菌が尿素を分解した際に生じる呼気の変化を調べる検査です。13C-尿素を含む検査薬を飲み、その前後の呼気を採取します。胃にピロリ菌がいると13CO2が生じるため、呼気中の量を比べて感染の有無を判断します。
-
抗体測定法
抗体測定法は、ピロリ菌に対する体の免疫反応を調べる検査です。感染すると体内に菌へ対抗する抗体がつくられます。血液や尿に含まれる抗体の量を測り、感染している可能性を判断します。
-
便中抗原測定法
便中抗原測定法は、便に含まれるピロリ菌由来の抗原を調べる検査です。ピロリ菌の成分が便に排出される性質を利用し、採取した便から抗原が検出されるかを確認します。
ピロリ菌除菌治療
除菌治療の対象となる方
ピロリ菌除菌治療は、関連する病気の治療や将来の胃がん予防を目的として、体内から菌を排除する治療法です。
特に早期胃がんの処置後に除菌を完了したグループは、治療を見送ったグループに比べ、新しい胃がんが発症する割合が少ないと報告されています。
そのため日本ヘリコバクター学会の指針においては、ピロリ菌の感染が確認されたすべての方への実施をおすすめしています。
除菌の対象となるのは、公的保険の適用ルールも含め、次の5つのいずれかに当てはまる場合です。
- 内視鏡の検査を経て慢性胃炎(感染胃炎)の状態が確認できた
- 胃潰瘍や十二指腸潰瘍による粘膜の損傷がみられる
- 早期胃がんの病変を内視鏡によって切除した後の経過観察
- 胃MALTリンパ腫という特殊なリンパ腫の診断を受けた
- 血液の病気である特発性血小板減少性紫斑病を患っている
除菌治療の詳細
ピロリ菌の除菌は、指定された内服薬を一定期間服用して体内から菌を排除する方法です。身体にメスを入れる手術の必要はなく、朝と晩の1日2回、合計7日間にわたって薬を確実に飲みきります。公的医療保険の枠組みでは二次除菌までの実施が認められており、一連のステップを適切に進めれば、ほとんどの方が除菌を達成できます。
- 一次除菌
- 標準的な治療では、胃酸の分泌を強く抑えるボノプラザンに、アモキシシリンとクラリスロマイシンという2つの抗菌薬を加えた3剤をセットで服用します。この基本的なパッケージにより、最初の段階で大半のケースにおいて菌の排除が完了します。なお、薬剤アレルギーがある場合は薬の組み合わせが異なるため、事前の確認が必要です。
- 二次除菌
- 万が一、1回目の内服で菌が生き残ってしまった際には、抗菌薬の片方をメトロニダゾールへと変更して再試行します。薬剤のターゲットを変えることで、最初の治療をすり抜けた菌に対しても高い確率でアプローチすることが可能です。
除菌治療の注意点
以下の項目にあてはまる方は、事前に医師に必ず申し出てください。
- これまでに薬を飲んでアレルギー症状を起こしたことのある方
- ペニシリン等の抗菌薬を服用時に、ショック等の重篤なアレルギー症状を起こしたことのある方
- 抗菌薬や風邪薬で副作用を経験したことがある方
- 肝機能や腎機能の検査結果に異常がある方
除菌治療の副作用と禁忌事項
- 即座に内服を中断すべき重大な異常:全身に広がる発疹や、便に血液が混ざるような激しい下痢が生じたときは、重いアレルギーや大腸炎の疑いがあるため速やかに医師の診察を受ける必要があります。
- 二次除菌の期間中には完全禁酒:二次除菌でメトロニダゾールを服用している間は、飲酒を避けてください。アルコールと一緒に摂取すると、腹痛、嘔吐、顔のほてりなどが現れることがあります。服用終了後の飲酒再開時期は、医師・薬剤師の指示に従ってください。
- 治療に伴い予測される一時的な症状:腸内環境の変化による軟便や下痢、口内の苦みといった味覚の変化が生じるケースもありますが、多くは内服終了とともに自然と落ち着きます。
大腸がん移行の可能性を排除する
「大腸ポリープ切除」
大腸ポリープとは
大腸ポリープは、大腸粘膜に生じた盛り上がりをまとめて表す名称で、一つの病気を指すものではありません。見た目が似ていても、炎症に伴うもの、組織の形成過程で生じる過誤腫性のもの、細胞が増殖してできる腫瘍性のものがあり、性質によって対応が変わります。
なかでも注意が必要なのが、腺腫などの腫瘍性ポリープです。良性の段階でも、時間をかけて大きくなり、一部はがんへ進むことがあります。大きさはごく小さなものから数cmに及びますが、切除の必要性は形や表面の状態も含めて判断します。がん化が疑われる病変を早い段階で取り除くことが、大腸がんの予防につながります。
大腸ポリープと大腸がんの関係
大腸がんの一部は、良性の腺腫が変化を重ねた先に生じる病気です。腺腫の段階で切除すれば、進行がんへ向かう経路を途中で止められます。腺腫性病変の内視鏡切除が、大腸がんの発生や死亡率の低下につながることも確認されています。
切除した組織にがんが含まれていた場合も、粘膜内にとどまるなど一定の条件を満たせば、内視鏡治療のみで治癒を目指せます。
大腸ポリープの切除法
当院では患者様の安全を第一に考え、比較的小さなサイズや数の少ない大腸ポリープであっても、原則として入院による切除手術を行っています。切除後の万が一の出血や体調の変化に対しても、医療スタッフが24時間体制で見守ることで、迅速かつ適切な対応が可能です。
大腸ポリープは、通常、大腸内視鏡の先端からスネアと呼ばれる輪状の器具を出し、対象部分を囲んで切除します。スネアをそのままかけられる場合と、平らな部分を持ち上げてからかける場合があり、その違いによって術式を使い分けます。
主な方法は、ポリペクトミーとEMR(内視鏡的粘膜切除術)の2種類です。どちらも開腹せず、内視鏡を通して処置します。
ポリペクトミー
ポリペクトミーは、スネアや鉗子を使ってポリープを切り取る方法です。ポリープの大きさや形に合わせて、高周波電流を流す方法と、電流を使わない方法を使い分けます。
10mm未満の小さな無茎性ポリープには、電流を使わないコールドポリペクトミーを用います。スネアで切り取る方法をCSP、鉗子で3mmまでの小さなポリープを取り除く方法をCFPと呼びます。熱による組織への影響がないため、処置後の出血が少なく、穿孔も起こりにくい方法です。
茎が太く、やや大きめの0-Ip型ポリープには、高周波電流を流しながらスネアで切除するHSPを行います。5mm以下の小さなポリープを鉗子で切除するHFPも、通電を伴うホットポリペクトミーの一つです。
EMR(内視鏡的粘膜切除術)
EMR(内視鏡的粘膜切除術)と通常のポリペクトミーとの違いは、スネアをかける前に、切除する部分を粘膜から盛り上げる点にあります。
平らなポリープにはスネアをかけにくいため、粘膜の下へ生理食塩水などを注入します。注入した液体によってポリープが浮き上がったところをスネアで囲み、そのまま切除する治療法です。
この方法は、平坦な腺腫や20mmまでの早期大腸がんに用います。また、10mm以上のポリープでは、通常の切除に伴う出血やがん化の可能性を踏まえ、EMRを選択します。